姉へと至る道

「ぐはぁ……」
「どうしたのよ、一体全体?」
「いやな、手元にあるGFやらR&Rやら見てもな……姉がヒロインのシナリオがないんだ。PC1のハンドアウトに「〜は君の姉だ。」という記述が見つからないんだ!?」
「…………何やってんだか、全く」
「あと、身内を助けるシナリオとなると極端に数が減るんだな。妹とか義母助けられねぇ。マジびっくり」
「……はぁ」
「いや、お前さ。コレって大変なことだぞ? TRPGには未だにヒロインのソースとなりえるものが存在するつー、大問題」
「(そう?)まあ、ねぇ……。幼馴染とかならあるのよね?」
ナイトウィザードにそういうのがあったような……。あ、未来から来た自分の娘を助けるのはあるのな」
「面白そうじゃない。でも、未来から来た娘ってまた絡みにくそうね」
「…………やっぱり、身近にいた存在ってヒロインにしづらいのかね?」
「そうでもないんじゃない? FEARゲーをメインに見ているけど、どうもPC2のモチベーションに使われる場合はあるわね?」
「…………やっぱり、血縁関係はダメなのかなぁ。はぁ……」
「(顔を赤らめ)……し、知んないわよ、馬鹿ぁ!!!?」
「うぉ!?(鈍い音と共に拳が顔面に突き刺さる。肉体戦ダメージチャート:18 脳しんとう)」
「え? あ?(拳を見つめる) …………えぇぇぇ!!!? 大丈夫? ねえ、大丈夫!!?」
少女に揺さぶられる少年。遠くから甲高いサイレンの音が鳴り響き、シーン終了。